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幼馴染みの男(3)

同窓会も終わって、平凡な生活に戻りました。
名刺を貰ったのは覚えていたけど、今すぐにメールを
しなくてはならない理由もなくて、しばらくは
放っておきました。

2週間くらいたった頃でしょうか、ふと思い出して
一言あいさつしておこうかな、という感じでメールを
書いたんですね。

内容はたわいもないこと。久しぶりだったね~、って
ことと、私も元気に頑張ってます、お仕事頑張ってください、
そんな感じだったと思います。

返事も期待していなかったんだけど、その日のうちに
返事がかえってきて、今度一度食事でもしましょう、と
書いてありました。

まぁ、なつかしかったし、昔も食事したり飲みに行ったり
していたから、それくらいだったらいいかなぁ、と
思ったんですね。

夜もあまり遅くならないように、食事だけつきあって
くれたら嬉しい、と。

そんな感じだったから、私も、ちょっと考えたけど
OKしたんですね。

ところが彼は平日の夜を指定してくるんですね。
私は主婦だし、子供だってまだ小さいんだから、
平日の夜なんて出られるわけないじゃないですか。

この辺が男って勝手というか、わかってないんですね。
それで、事情を話して、土曜日の夕方だったら少し
出られる、と返事しました。

そうしたら、じゃぁ土曜で、っていうことになったんです。

当日は特にウキウキすることもなく、ちょっぴり変な
感覚はあったけど、過去が過去だったから、その
違和感も打ち消すようにして出かけました。

会ったのは新宿のとあるワインバー。
同級生ってやっぱりいいですね。あっという間に
昔に戻れて。友達の近況とか、先生の話、昔話を
いろいろしてそれなりに楽しかったです。

彼は頭脳明晰でちょっと切れすぎるところがあった
けど、年齢とともにそれも緩和されて、普通の
おじさんになっているところが、私には好もしかったですね。

ワインも3杯くらい飲んで、結構遅くなっちゃいました。
時間も時間だからそろそろ出よう、っていうことになって
お店を後にしました。

それで、私は帰るつもりだったんですね。
最初からそういう約束だったし。

・・・ところが、彼はやっぱり男だったんですね。
酔っ払っていたこともあるでしょう。
少し酔いを醒まそう、と言って歩き始めたんです。

それでも私はあまり心配してなかったんですね。
新宿の街を歩くこと20分くらい。
私も酔っていてどこを歩いているかわからなく
なっていました。

そして・・・・来ました!来ました!
「休んでいこう」っていうのが・・・!

なんだか、がっかりしちゃいましたね~。
私は昔の友達を懐かしく思って、こういう出会いと
いうか、再会を大事にしたいと思っていたから・・・

男と女は違うのかもしれないけど、友達っていうのも
私はありじゃないかと思うんですよね。

男と女じゃない、でも女友達とは違う、という
すごく大事な存在。そういう人ってなかなか
いないでしょう。私が彼に求めているものは
そういうものだったんですね。

だけど、彼は違っていた。
酔った勢いだろうけど、「○○ちゃん(私のこと)が
好きだ」って言うんですね・・・

でも、20年ぶりに会って急に好きになれるもの
なのかな?
例えば離れていた20年間も私のことを忘れなかった、
とか、思い続けていた(これはありえないだろうけど)、
というなら別だけど、今まできっと私のことなど
思い出すことはなかったと思うんですよね。

それに、会っても好きだ、っていう波動をあまり
感じなかったし・・・

思ったのは、彼は「恋人」というものが欲しいだけ
なんだ、ということ。

男って、社会人として頑張ってそれなりの地位を
築くと、なぜか女も手に入れたがるんですね。
「英雄色を好む」っていう言葉もあるように、
社会からの評価だけでは満足しないもの
なんでしょう。

彼もそれなりに評価されるポジションにいました。
大学を出てからこれまでの人生でまず、きっちりそこを
固めて、人間としては結婚して父になって、一家の
大黒柱という場所も手に入れた。

見てると、パズルを次々埋めていく感じがしますね。
そして、あと一角が足りない。それが女。
まぁ、誰でもいいというわけじゃなかっただろうけど、
第一にはまず「誰か」にいて欲しかった、という気持ちが
大きかったんじゃないかと思います。

そこにたまたま私が現れた、ということなんじゃ
ないかと。

偶然出会ってしまって愛してしまった、ということなら
理解できるけど、彼の場合、もともと誰かを探して
いたという感じでしたね。

そんなわけで、私も納得できなかったから、
お誘いを受けることはありませんでした。

彼のことは嫌いではなかったけど、男としては
意識できない。ましてやベッドをともにすることは
もっと考えられない、そんな気持ちでした。

そうしたら、彼は怒っちゃったんですね~。
プライドを傷つけられたと思ったみたいです。
男は難しいですね~~。

「それじゃもういい、もう会わない」などと言われて
しまって、それきりになってしまいまいした。

飲んで話している時は「オレたち、結婚しても
良かったよな」などと言っていましたが・・・
私も昔はこのまま友達関係が続いていけば、
いずれ結婚することもあるかもしれないな、なんて
思ったこともあるけど、でもお互いに似たところが
あるから、結婚はしなくてよかったのかもしれない、
と思います。

そんなわけで、懐かしい再会もなんだか後味の
悪いものになってしまいました。
でも、よかったんだ、これで・・・


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